こんにちは、もも助です。
今回は近藤康太郎さんの書かれた、「百冊で耕す」のレビューです。
以前、同著者の「三行で撃つ」をレビューしたので、こちらも合わせてご覧ください。
百冊で耕す
本書は、一言で言えば読書法に関する本です。
ですが、よくあるハウツー本ではなく、読書をすることの意義や哲学を学ぶことができます。
速読と遅読、娯楽のための読書と挑戦する読書、といった二分する意見を、著者なりに考え、まとめられています。
読書法から、愛や幸せに、話が広がっていきます。
前著の「三行で撃つ」がアウトプットに関する本で、今回はその対となるインプットに関する本です。
読書好きなら共感する部分も多数あり、一度は読んでおきたい本です。
巻末に100冊選書リストが載っており、今後の選書の参考にもなります。
「百冊で耕す」レビュー
終わりなき論争
第一章では、終わりなき論争として、「速読」と「遅読」が挙げられます。
著者はどちらにもメリットがあるとして、速読の方法について具体的に書かれていました。
- 音読しない
- 漢字だけを追う
- 段落読み
- 探し読み
- 同時並行読み
この中でも最後の「同時並行読み」は、これから取り入れてみようと思いました。
同時並行読みとは、数冊の本を並行して読み進めるという事。
海外文学を15分読んだら、日本文学を15分読む、といった具合に進めていきます。
こうするメリットは、多ジャンルの本をまんべんなく読むことができる。
そもそも集中力は何時間も続くものではないので、であればいっそのこと切り替えて、気分転換のつもりで別の本に移るのもいいかなと思いました。
これまでは一冊の本を読み終えたら、次の本に行く、という風に読んでいました。
また、この読み方をすると、内容がごちゃ混ぜになるという人がいると思います。私もそうです。そんなとき著者が勧めているのは、メモを取ること。
読書ノートとまではいかずとも、小さなメモに登場人物の名前と役割位を書き込んでおけば、ごちゃ混ぜになりません。そのまま本に挟んでおけばしおりにもなりますし。
本という投資
本は買うべきか、借りるか。
これも終わりなき論争ではあります。
私は本は買う派です。なぜなら、書き込みや折ることが出来るからです。
著者も線を引くことやドッグイヤーを勧めています。本に書き込みをするのに抵抗がある人も多いと思います。
ですがいまや本は文庫本であれば100から買うことができます。古本屋に行けばほしい本が見つかります。
中古本であれば、書き込みに対する抵抗も減るのではないでしょうか。
本は買って、自分の血肉となるように、読んだ証を残していく。
ですが、図書館で借りることにもメリットがあります。
そのメリットは、当然、ただで読めること。
タダで読めるので、気兼ねなく速読ができる。素早く知識を収集できる。
図書館ネットワークを活用すれば、大概の本は読むことができます。
新刊は予約待ちがあるので、数年前のベストセラーなどが狙い目です。
読まないくせにというけれど
積読に関しても書かれています。
特に印象に残っているのは、積読を肯定するという点です。
難しい本を買ってきてもいい。かっこつけでもいい。
読まずに本棚に置いておく。いつかこの本を読めるような人間になれるようにする。
そんな心持ちで積読をする。
私も買ってみたものの、難しくて読めなかった「死に至る病」があります。
キルケゴールの哲学書ですが、数ページで断念しました。
いつかこんな本も読めるようになりたい、そんな思いで今日も本を読み続けます。
百冊選書-自分だけの100冊
本書の大筋として、100冊の本を選ぼうというものがあります。
100冊を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれです。
100冊あれば、良い。小さな本棚一つに収まる量。
問題はこの100冊をどう決めるかです。
なにも一発で100冊を決めるわけではありません。
本棚の中を新陳代謝していく必要があります。
その為には500冊、1000冊と本を読まなければならないかもしれません。
そうして出来上がった100冊の本棚は、繰り返し読み、暗記するほど読み、自分の頭の一部となっていきます。
自由に、なるための読書術
今回は近藤康太郎さんの書かれた、100冊で耕すを紹介しました。
簡単な紹介になりましたが、本書では近藤節と言われる独特な言い回しで語られており、是非一度読んでほしい内容になっています。
また、「三行で撃つ」の姉妹本という立ち位置だそうなので、こちらも合わせて読むと、より理解が深まるかと思います。
コメント