又吉直樹【火花】に学ぶ、自分の哲学を貫き通す方法。「火花」レビュー、要約

火花に学ぶ、自分の哲学を貫き通す方法

この記事は一部ネタバレを含みます。まだ読んでない方で、わくわくしながら小説を読みたい方はブラウザバックでお願いしますm(__)m

又吉直樹著、火花をいまさらながら読み終えました。

これまで芸人のイメージが強かったピースの又吉さんの作品です。今ではすっかり作家ですね。

今回は又吉先生の「火花」から学ぶ、己の哲学の通し方を見ていきたいと思います。

「火花」から学ぶ、自分の哲学とは?

まずは簡単にあらすじを見てみましょう

目次

本文要約

売れない芸人の徳永は、天才肌の先輩芸人・神谷と出会い、師と仰ぐ。神谷の伝記を書くことを乞われ、共に過ごす時間が増えるが、やがて二人は別の道を歩むことになる。笑とは何か、人間とは何かを描き切ったデビュー小説。第153回芥川賞受賞作。

文春文庫 

デビュー作にして芥川賞という、作者本人の天才っぷりも発揮されています。

また、芸人だからこそ描ける内容の小説でした。

火花 (文春文庫) [ 又吉 直樹 ]

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感想(29件)

見どころ紹介

次に、個人的にぐっと来たシーンをざっと紹介します。

神谷さんという人物

この小説の何よりの見どころは「神谷さん」でしょう。主人公、徳永の師匠であり、コンビを組んでいる芸人です。神谷さんは漫才に対して自分の考え・哲学を持っており、日常生活でも自分の信条に従って行動します。

行動に一貫性があり、はっきりとした物言いの神谷さんは、徳永や相方、女性にも好かれます。(自分の哲学を持っている分、敵も出てきますが。)

序盤で通り過ぎていく客に向かって「地獄!地獄!」と指をさすシーンは読んでいて肝が冷えました。隣にそんなことをしている人がいたら他人のふりをするでしょう。

関西弁でズバズバとものを言う神谷さんは、愉快であり痛快であり、こんな風に生きられたらなと思うような人物です。

徳永の性格

主人公徳永は、神谷さんをほとんど神のように崇拝する芸人です。

神谷さんのことが大好きで、師弟関係とは名ばかりに二人で飲み歩き、遊び、時に言い合いをします。誰かが神谷さんを馬鹿にしたようなことを言えば、親の敵と言わんばかりに怒ります。(徳永にとって神谷さんは、実質的に親のような存在なのかも。)

そんな徳永も、面白い漫才とは何かを考え、日々ネタを考えます。相方と公園でネタ合わせをするシーンも何度か出てきます。

徳永は言ってしまえば、才能がありません。同期の芸人はどんどん売れていき、テレビやCMに出演します。

才能のない徳永は、才能のある神谷さんに魅了され、神谷さんのようになりたいと感じています

人間味あふれる主人公に、読者も感情移入するのではないでしょうか。

しかし、行き過ぎた信仰は自分を追い込むこともあるということを学ばせてくれます。

スパークスのラストライブ

主人公徳永が組んでいるコンビ、スパークスの引退ラストライブは、やはり本作の一番の見どころです。

才能がない徳永は、それを認めてなお、面白い漫才を追求し、ライストライブでは新たな形の漫才を披露します。これはぜひ皆さんに読んでもらいたいので、ここでは詳しく書かないようにします。

この感動は言葉では表せない、というのが本心です。

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