こんにちは、もも助です。
今回は「N エヌ」という道尾秀介さんの書かれた小説をレビューしていこうと思います。
この本、それぞれの章の読む順番によって、物語の捉え方が変わってきます。
全6章あり、どれから読むか、あなた次第!
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それぞれの章について
まずはそれぞれの章についてざっと内容を見ていきましょう
名のない毒液と花
理科教師の話。
問題を抱えている教え子と、魔法の鼻を持つ犬。
6つの中でもちょっと暗めの話。
落ちない魔球と鳥
「死んでくれない」としゃべる鳥。
野球部のエースの兄を持つ少年の話。
笑わない少女の死
英語が喋れない英語教師の話。
一人で海外に行くも、そこで一人の少女と出会い・・・
飛べない雄蜂の嘘
恋人を殺した女性と、謎の男。
真実を隠していた男の正体は・・・
消えない硝子の星
ターミナルケアをする看護師と、死を目前にした患者の母。
娘は奇跡を信じて、あるものを探す。
眠らない刑事と犬
殺人事件の真相を暴くために動く刑事。
他の章との関わりが強い章。
以上、本当にざっくりとした内容でした。
私が読んだ順番
私は本の前から順番に読んでいきました。
なので、
- 名のない毒液と花
- 落ちない魔球と鳥
- 笑わない少女の死
- 飛べない雄蜂の嘘
- 消えない硝子の星
- 眠らない刑事と犬
この順番で読みました。
この順番で読んだ感想としては、最後に「眠らない刑事と犬」を持ってきたのは微妙でした。
この章でかなり真相に近づくので、早い段階で「眠らない刑事と犬」を読んでおくことで、後々の話が理解しやすく、没入できたかなと思います。
どの順番で読んでもいいという新しさ
かつてこのような小説は見たことがありませんでした。
なので、どこから読んでも良いという設定だけでかなり興味が湧きました。
また、どの章から読んでも、すべて読み終えるまでは真相がわからないようになっていますね。
登場人物の過去だったり、人間関係、言葉の意味・・・それぞれが各章で小出しにされていきます。なので、読んでいて「これどういうこと?」と疑問を持ちますが、読み進めていくうちに、そういうことかと納得できます。
書籍の冒頭に、各章の冒頭がまとめてあります。
それを読んで、気になる章から読み進められるというわけです。
私は、前から順に読みたい人なので、普通の本を読むように順に読んでいきました。
書籍は章の変わり目で上下が逆さに印刷されており、話のつながりが物理的に遮断されています。
なので読んでいる最中は本を180度回転させながら読むことになります。
キャラが引き立つストーリー
登場人物のキャラが引き立つのも魅力です。
読む順番によっては、その人物の過去を知ってストーリーが進行したり、後から過去を知るパターンがあります。
個人的にはこれが面白いポイントでした。
私と同じ順番で読んだ方なら、きっと最後の方で裏切られたことでしょう。
あの人があんな人だったなんて・・・という風に。
この小説はとある島が舞台となっていて、登場人物は皆そこの住民です。
舞台は同じでも、色んな問題を抱えた人がいて、その問題が錯誤しながら進行していくので、ストーリーがつながった時は爽快です。
また、人だけでなく動物も重要なポイントとなります。
犬や鳥も出てきて、時にはストーリーの中心となってきます。
「N」を読んで得た気づき
この本を通して気づいたことを最後に伝えようと思います。
視点を変えること
まずはこれです。
十人十色という言葉があるように、人それぞれの生き方や考え方、感じ方があります。
この本の登場人物は皆、自分の人生を一生懸命に生きています。なので時に周りが見えないこともあります。
少し視点を変えるだけで、真実に近づける。そんな場面が多々あります。
これは現実世界でも同じこと。
自分も大切ですが、少し視点を変えてみることで、他人のことをもっと理解できるかもしれません。
本自体の構成もそうです。読む順番によって世界が変わる。
つまり、見方によって内容が変わってきます。
実生活の中でも、一つの視点にこだわらず、色んな目をもって生きていきたいものです。
柔軟な発想
先ほどと似ているかもしれませんが、柔軟な発想も身に付けたいです。
上下をさかさまにして、章を区切ろうなんて、私には思いつきません。
また内容も、ミステリー小説あるあるですが、解決した後だと簡単に思えます。
それくらいなら思いついたのに。と思いつつもそれは結果論でしかありません。
大人になるにつれて思考は固くなっていきます。ですが、子供のような柔軟で自由な発想もできるようになりたいですね。
まとめ
道尾秀介さんの「N エヌ」でした。
気になった方はぜひ読んでみてください!
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